牡蠣(カキ)の「生食用」と「加熱用」の違い

もう、牡蠣(カキ)は食べましたか?牡蠣がおいしい季節ですね。牡蠣はスーパーでもよく売ら

れていますが「生食用」と「加熱用」がありますね。私は最初、この違いは鮮度の違いによるも

のだとずっと思っていました。しかし、そうではないのです。今回は生食用」と「加熱用」の違

いを見てみましょう。


牡蠣の「生食用」と「加熱用」は、鮮度の違いではなくて細菌数の違いなのです。牡蠣の食中毒

は、牡蠣が海水から吸い込んだ菌によるものです。加熱すれば菌は死ぬので問題ないのですが、

生で食べると消化器官の中で菌が繁殖して、食中毒を起こすのです。



生食用のカキの基準


成分規格

  ●細菌数が1g中50,000以下

  ●E.coli(ふん便系大腸菌群)の最確数が100g中230以下

  ●腸炎ビブリオの最確数が1g中100以下(むき身にしたものに限る)



加工基準

  ●原料用牡蠣は、海水100ml当たり大腸菌群最確数が70以下の海域で採取されたもの、

  または100ml当たり大腸菌群最確数が70以下の海水または塩分濃度3%の人工塩水を用い、

  かつ、当該海水もしくは人工塩水を随時換え、または殺菌しながら浄化したものでなけれ

  ばならない。



保存基準

  ●10℃以下で保存(生食用冷凍牡蠣は-15℃以下)

  ●清潔で衛生的な有蓋の容器に入れるかまたは清潔で衛生的な合成樹脂、アルミニウム箔

  もしくは耐水性の加工紙で包装して保存しなくてはならない。


そのため「生食用」は、上記の基準を満たすために、紫外線殺菌装置で殺菌した海水にカキを

入れ、水温を5℃以上に保ったまま2~5日かけて浄化するよう厚生労働省から義務づけられて

います。比較的温度のあるきれいな水で長時間浸けておくことで、カキの腸の中から病原要因を

吐き出させることができるのです。 これは牡蠣を洗浄しているだけで

消毒・殺菌をしているわけではありません。 しかし、餌をもらえない牡

蠣はそれだけやせ細ります。ですから、加熱して食べる分には、「加熱用」の方がおいしいです。

また、「生食用」は保険所が定める指定された綺麗な海域で獲れる一部のカキは、それらの処理

をしないでも「生食用」として出荷できるようになっています。

海域に一定の数の雑菌数を超えると、どれだけ新鮮でも洗浄をしなければ「加熱用」として販売

されます。



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